新NISAで株主優待をもらうときに知っておくこと
最終更新日: 2026-08-06
PRこのページには広告(証券会社の案内)を含みます。掲載方針は広告掲載ポリシーをご覧ください。
新NISAの成長投資枠では個別株を買えるため、株主優待のある銘柄をNISA口座で保有することもできます。 ただし「NISAだから優待がお得になる」という説明は正確ではありません。 ここでは、優待銘柄をNISA口座で持つ場合に事実として何が変わり、何が変わらないのかを、 一次情報の出典つきで整理します。
先に要点
- 株主優待そのものはNISAの非課税対象ではない。優待の扱いは課税口座と変わりません
- NISAで非課税になるのは配当金等と譲渡益。 優待銘柄でも、効くのはこの2つです
- 配当を非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」の選択が必須。ここを外すと配当は課税されます
- NISA口座では信用取引ができないため、優待クロス(つなぎ売り)はNISAでは行えません
新NISAの枠(2024年開始の制度)
| 個別株を買える枠 | 成長投資枠(つみたて投資枠では個別株を買えません) |
|---|---|
| 年間投資枠 | 成長投資枠240万円 / つみたて投資枠120万円(併用で年360万円) |
| 非課税保有限度額 | 生涯1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
| 枠の管理・再利用 | 簿価(取得価額)で管理。売却分の枠は翌年以降に再利用可能 |
| 買えない銘柄 | 整理・監理銘柄は成長投資枠の対象外 |
出典: 金融庁「NISAを知る」。制度内容は変わることがあるため、最新は公式でご確認ください。
1. 優待そのものは、NISAでも課税口座でも変わらない
NISAで非課税になるのは、上場株式等の配当金等と譲渡益です。 株主優待は配当等には含まれず、国税庁の案内では受け取った場合雑所得に該当するとされています。つまり優待の税務上の扱いは、NISA口座で持っていても課税口座で持っていても同じです。 「NISAなら優待が非課税になる」という説明を見かけたら、対象は配当と譲渡益のことだと読み替えてください。
2. 配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」が必要
NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税で受け取るには、 配当金を証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選択している必要があります。 郵便局等で受け取る「配当金領収証方式」や、指定の銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」を選んでいる場合、 NISA口座で買った株の配当でも課税(復興特別所得税を含め20.315%)されます。
- 手続きには時間がかかります。例えば3月決算銘柄なら、配当基準日(3月31日)までに証券会社を通じて証券保管振替機構へ取り次ぐ必要があります
- この方式を選ぶと、特定口座・一般口座で保有するすべての上場株式の配当金等にも自動的に適用されます
3. NISA口座ではできないこと
- 信用取引ができない— 日本証券業協会のQ&Aで明記されています。優待クロス(つなぎ売り)は信用売りを使う手法のため、NISA口座では行えません。クロスで優待を取る場合は課税口座を使うことになります(優待クロスガイド)
- 損益通算・繰越控除ができない — NISA口座の売買損失は税務上ないものとされ、特定口座・一般口座の利益と相殺できません。損失の繰越控除(3年間)も使えません
- 売却しても枠はその年に戻らない — 売却で減った簿価分の枠が使えるようになるのは翌年以降で、かつその年の年間投資枠の範囲内です。 優待の権利取りのたびに売買を繰り返すと枠の回転が効きません
4. 判断材料の整理
ここまでの事実をまとめると、NISA口座と課税口座では次の点が異なります。 どちらを使うかは目的によって変わるため、事実の対照として掲載します。
| 項目 | NISA口座(成長投資枠) | 課税口座 |
|---|---|---|
| 株主優待の扱い | 変わらない | 変わらない |
| 配当金 | 株式数比例配分方式なら非課税 | 課税(20.315%) |
| 譲渡益 | 非課税 | 課税(20.315%) |
| 損益通算・繰越控除 | できない | できる |
| 優待クロス(信用売り) | できない | できる |
| 売却後の枠 | 翌年以降に再利用 | 制限なし |
優待銘柄を長く持ち続けて配当も受け取るならNISAの非課税が効き、 権利日ごとにクロスで取るならNISAは使えない、という違いになります。 長期保有を優待の条件にする企業も増えているため、 各銘柄の出典(公式発表)もあわせてご確認ください。
NISA口座を開くには
NISA口座は1人1口座で、証券会社や銀行で開設します(金融機関の変更は年単位)。 銀行では個別株を買えないため、株主優待のある銘柄を対象にするなら証券会社で開設することになります。 優待クロスも併用する場合は、NISAとは別に課税口座が必要です。
証券会社の比較は口座開設ガイド、複数口座の使い分けは口座の使い分けガイドにまとめています。
よくある質問
- 新NISAで株主優待は非課税になりますか?
- 株主優待そのものは、NISA口座で保有していても課税口座で保有していても扱いは変わりません。NISAで非課税になるのは上場株式等の配当金等と譲渡益であり、株主優待は国税庁の案内で雑所得に該当するとされています。
- NISA口座なら配当金も自動的に非課税になりますか?
- 自動ではありません。NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税で受け取るには、証券会社で受け取る「株式数比例配分方式」を選択している必要があります。配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式を選んでいる場合は課税(20.315%)されます。
- NISA口座で優待クロス(つなぎ売り)はできますか?
- できません。日本証券業協会のQ&Aで、NISA口座では信用取引を行うことはできないと案内されています。優待クロスは信用売りを使う手法のため、NISA口座では行えません。
- NISAで買った株を売ると、非課税保有限度額はすぐ戻りますか?
- 売却した年のうちには戻りません。売却により減った簿価分の枠は翌年以降、その年の年間投資枠の範囲内で再利用できます。
出典
- 金融庁「NISAを知る」(新しいNISA)
- 日本証券業協会「NISAのよくある質問」
- 日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー「株主優待を受け取った場合」
※本ページは2026-08-06時点の公開情報にもとづく制度の説明であり、特定の銘柄や口座の推奨ではありません。税制・制度は変更されることがあります。 個別の税務の取扱いは税務署または税理士へ、投資判断はご自身の責任でお願いします(免責事項)。